[2021.01.27]
認知症の治療法②
・認知症の治療法②
薬を使う治療法(薬物治療)のほかに、薬を使わずに脳を活性化して、残っている認知機能や生活能力を高める治療法があります。今回のコラムでは、薬以外の治療をご紹介します。
・薬以外の治療
“認知症”と診断されても、本人にできることはたくさん残っているので、家庭内で本人の役割や出番を作って、前向きに日常生活を送ることが大切です。アルツハイマー型認知症の治療には、書き取りやドリルなどの認知リハビリテーションのみならず、昔の出来事を思い出すこと、家族以外の人たちと交流すること、音楽、絵画、陶芸などを楽しむこと、囲碁、将棋、麻雀などを楽しむこと、ウオーキングなど軽い運動を続けること、ペットを飼うことなども脳の活性化につながります。また、家族や周囲の人の対応の仕方によって、行動・心理症状(BPSD)が改善することも多くみられます。
まず、最初に取り組むことは、家庭内や地域で本人の役割や出番を作ることです。認知症が進行して、日常生活で上手くできないことや失敗が多くなると、家族は本人の家庭内での役割や出番を徐々に減らして、「何もしないでもよい」状況を作ってしまいがちです。何もすることがなくなって、呆然として暮らすだけでは、認知機能はさらに低下してしまいます。
いっしょに買い物に行く、食器を片付ける、洗濯物をたたむなど簡単なことでも、役割や出番を確保することが自分の存在感を再確認するチャンスになり、自発性を引き出すことにつながります。
参照URL https://www.isshogaiine.com/treat/index.html