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[2020.12.08]

冬虫夏草ものがたり① ~免疫効果~

~免疫効果~

私達の体には、がん細胞など異常な細胞や外からの病原体を攻撃し、病気から保護する仕組み(免疫系)があります。この免疫系について、カイコ冬虫夏草の研究から、韓国の研究グループが2003年に発表しています。それによると、マウスの後ろ肢(あし)にがん化した細胞(肉腫細胞)を注射し、その後でカイコの幼虫で培養した冬虫夏草(ハナサナギタケ)の抽出液を腹腔内に注入しました。その結果、白血球に代表される免疫細胞の食作用(ウイルスも含む異物を細胞内に取り込み分解する作用)が増大し、がん細胞は約半分まで縮小しながら、マウスの平均生存寿命は57%延びていました。このような効果は、カイコ冬虫夏草の細胞を取り囲む細胞壁をつくっている多糖成分に由来すると考えられています。そこで、この多糖成分以外にも、カイコ冬虫夏草には免疫系を活性化する新たな成分が存在するのではないか、という期待があります。

【参考文献】

  • Shin, K.H., Lim, S.S., Lee, S., Lee, Y.S., Jung, S.H. and Cho, S. Y. (2003) Anti-tumour and immuno-stimulating activities of the fruiting bodies of Paecilomyces japonica, a new type of Cordyceps spp. Phytotherapy Research 17, 830-833.